扶養人数で手取りはどう変わる?源泉徴収の扶養の数え方
更新日 2026-07-05
毎月の手取りは「社会保険料」と「源泉所得税」で削られる
看護師の給与明細を見ると、額面(総支給)から健康保険・厚生年金・雇用保険などの社会保険料と、所得税(源泉所得税)が差し引かれて手取りになります。夜勤手当の回数で総支給が上下する看護師は、実は毎月の源泉所得税も一緒に動いています。そして、この源泉所得税を静かに左右しているのが「扶養親族等の数」です。
源泉所得税は「税額表」で決まる
毎月の給与から天引きされる所得税は、勤務先が国税庁の「源泉徴収税額表(月額表)」を使って計算しています。勤務先に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している主たる勤務先では、有利な「甲欄」で計算されます(提出は原則1か所のみ。掛け持ち先は高めの「乙欄」で天引きされます)。
甲欄の税額は、およそ次の2つで決まります。
- その月の社会保険料を引いた後の給与額
- 扶養親族等の数
同じ給与額でも、扶養親族等の数が多いほど天引きされる源泉所得税は少なくなります。
「扶養親族等の数」に数える人・数えない人
ここでいう「扶養親族等の数」は、家族の頭数そのものではありません。原則として次を合計します。
数える① 源泉控除対象配偶者
本人(あなた)の所得が一定以下(給与収入でおよそ1,095万円以下が目安)で、配偶者の所得も一定以下(給与収入でおよそ150万円以下が目安)の場合、その配偶者は1人として数えます。
数える② 16歳以上の控除対象扶養親族
生計を一にし、所得が一定以下(給与収入でおよそ123万円以下が目安)の16歳以上の家族です。16歳以上の子や、同居・別居の親などが該当し、人数分を数えます。大学生年代(19〜22歳)は年末調整での控除が大きくなりますが、毎月の源泉では同じく「1人」として数えます。
数えない 16歳未満の子
16歳未満の子は、所得税の扶養控除の対象外です(かつて児童手当の導入とあわせて年少扶養控除が廃止された経緯があります)。そのため、源泉でも年末調整でも所得税の「扶養親族等の数」には含めません。生まれたばかりの赤ちゃんがいても毎月の源泉所得税は下がらない、という点は誤解しやすいので注意しましょう。ただし住民税の非課税ラインの判定などでは16歳未満の子も家族数として影響するため、まったく無意味というわけではありません。
加算されるケース
本人や扶養親族が障害者・ひとり親・寡婦・勤労学生などに当てはまる場合、その分を「扶養親族等の数」に1人加える扱いがあります(障害者は16歳未満でも加算の対象になります)。
扶養が増えると源泉所得税が下がる仕組み
税額表は、扶養親族等の数が1人増えるごとに課税のベースが実質的に下がるように作られています。そのため、結婚して配偶者を扶養に入れた、親を扶養に入れた、子どもが16歳になった——といったタイミングで数が1人増えると、同じ給与でも毎月の源泉所得税が下がり、手取りが増えます。増える金額は給与水準によって変わりますが、月あたり数百円〜数千円程度の概算イメージです。
ただし毎月の源泉所得税はあくまで「概算の前払い」です。1年間の正しい税額は年末調整で精算されるため、月々の手取りが増えても、年間トータルの負担が同じだけ軽くなるとは限りません(16歳未満のように、そもそも所得税が下がらないケースもあります)。自分の給与でどのくらい変わるかは、本サイトの手取り計算ツールで扶養人数を変えて試算してみると感覚がつかめます。
変化があったら「異動申告」を
結婚・出産・親の扶養開始など家族構成が変わったら、勤務先に扶養控除等(異動)申告書を出し直すことで、その後の源泉所得税に反映されます。共働きの看護師夫婦がどちらの扶養に子や親を付けるか、掛け持ち勤務でどこを甲欄にするかによっても手取りの見え方は変わります。細かな要件は年度ごとに改正されることもあるため、最終的な判断は勤務先の給与担当や、税務署・税理士などの専門家に確認してください。